詩【重たく白く悩ましく】

雪の

かたまり

堆積した塵の重みに

つめたい澱みを感じていく

こりかたまった白い磁針の微細な揺れ

一方向をさすだけの荒んだ息が

患部をかくし

足跡を隠蔽し

誤植は誤植のままに

あのときもこのときも

流れさる

水となって

はなはだしい忘却はふたしかな平和にしずむ

さむい季節が無難に暖められていき

そうして夢の譜

臓から膜へ

膜から宙へと

放たれる

音色は弱く

いつまでも

線引きされる

そのような仕組みにいる


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# by matsuo-mayumi | 2017-05-26 12:54 | 詩作品 | Comments(0)

詩【反語的な果実の静寂】

たとえば

雫のかたまりが

薄いみどりにかがやいて

鈴なりになったごく小さな物語のひとつぶひとつぶ

聖域のようにとおい稜線のように隠遁のように

ふたたび遠ざかる微風はめぐり

つややかで丸いものを

口に含んだ記憶と

その味覚を忘れ去る

足早な日常と

暗闇のなかの了解

紫の葉脈は傷のごとく

都市の区画を伝えてきて

触れえない景色から

留まることが掟となる

離反と離脱と乖離のために

ひどく抑揚的な抑制でたどっていく視線の底

無機と有機がまじるところ

分別のない振り子の

騒々しい口上の

粘着質の塵を脱し

けれども脱するだけであり

なまなましい迷妄はそのままに

錆びは腐蝕を続けていって

悪しき歌も消えていき

だからこそ芳醇な

果実の光度

求めることで

潤う明日


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# by matsuo-mayumi | 2017-05-25 18:25 | 詩作品 | Comments(0)

詩と写真【砕かれたあとの光景】

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塗り込まれてしまっている
親密な四囲のひかり
脱色された
底のやすらぎ
いつまでもつかみきれない
傷の痕跡が皮膜のよう
無機的に覆ってくる叫びが空間をさえぎりつつ
広げさせる肉と血の
見えないところ
つたない触角を伸ばしてみても
届くことのない熱度があり
暗い場がより暗く
泥濘はすでに
まっとうされた泥
ふさわしい位置で憩っていて
対応がなければ対照の柵だろう
交じりあうこともなく
いっそうおぼろげな
陰のなかの
機微


写真 森美千代 詩 松尾真由美


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# by matsuo-mayumi | 2017-05-24 13:41 | 写真と詩のコラボレーション | Comments(0)

詩と写真【秘めやかになお】

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だから
濃くもなく
うすくもなく
静謐にやわらかに花は着飾り
そのように見えるところ
なにも解決していない
たたずみの様態から
生気だけは漂って
外側ではあわいもの
内ではいつも多重な叫び
いくえもの襞の色を
望みとして
結ぶこと
苦笑しつつ
もしくは
夢よ


写真 森美千代 詩 松尾真由美
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# by matsuo-mayumi | 2017-05-22 13:45 | 写真と詩のコラボレーション | Comments(0)

明治座五月花形歌舞伎

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明治座五月花形歌舞伎を観る。
演目は1月形半平太 2三人連獅子

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主演は片岡愛之助。

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いまはビルになっている明治座ですが、
昔の建物のほうに惹かれます。


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# by matsuo-mayumi | 2017-05-22 11:09 | 日々の感触 | Comments(0)

詩と写真【かすかに輝く光の悲歌】

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内臓に
秘められる
この硬くうるわしいものを
成育できればそれでいい
存在のあわい花を透けることで守っていって
隠蔽ではなく広げていく機微の蔓のもと
ほのかに色づく難度の日だまり
闇から浮かぶ
きらめきだから
ただ咀嚼と進展
求められることになる


写真 森美千代 詩 松尾真由美
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# by matsuo-mayumi | 2017-05-21 09:54 | 写真と詩のコラボレーション | Comments(0)

3331ART FAIR Prime Pick Contemporary ArtGalleries2017

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現代美術の岡部昌生さんから教えていただいた、
3331 ART FAIRを観に行く。

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さまざまなギャラリーが参加して体育館を埋め尽くしておりました。
若手たちの作品は手法も新しくて驚きます。
北海道からはCAI02が参加。
岡部昌生さんはヒロシマ・宇品シリーズを壁一面に展示。
私の個人誌「ぷあぞん」の装幀にもこのシリーズが使われたことがあって、
とても身近に感じましたが、
重たいテーマをふくむ作品群ですので、
ただ懐かしいというのではなく、
胸の奥にフロッタージュの紋様がそのまま染みこんでいくようでした。
端聡さんのセンスの良い作品も展示されております。

お時間がありましたら、ぜひ。

5月19日(金)から5月21日(日)まで
会場 アーツ千代田3331 2階体育館他

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# by matsuo-mayumi | 2017-05-20 14:56 | 展覧会 | Comments(0)

詩と写真【疲れ屹立していくもの】

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横たわった
あわい色
かすれた声が
いくえもかさなり
飛翔のあとの疲れのような
やわらかな受容に残ってしまった棘の鋭さ
鷹揚にはなれないこの茎がたずさえる秩序の脈打ちから
遠くのものも近くのものも入りこんで混乱するとき
かたくなさで身をまもる貝として
沈黙という手段
書記のなかで
発散される
忘却とか逃避とか
できるものならそうしている
けれどもつねに命題は取り置かれたまま
ほころびない眺望をまねき
どこか無風を装って
しどけない季節の中点
浮きあがる透明な骨組みに
すこしでも光があたれば
輝かしい水晶の猶予
そのあたりで
やすらいで


写真 森美千代 詩 松尾真由美

フェイスブックで見つけました。
昨年の今日、この作品を書いている。

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# by matsuo-mayumi | 2017-05-19 11:27 | 写真と詩のコラボレーション | Comments(0)

足と足

ある日のチビチビ。

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前足を重ねてお行儀いいね、と思いきや

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前足と後ろ足の交差でした。
どういう?
そして

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通常の形に戻る。バタンキュ〜眠り。

久しぶりの登場、
チビチビでした。
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# by matsuo-mayumi | 2017-05-18 17:02 | ねこ・猫・ネコ・ねこ | Comments(0)

北海道新聞15日付夕刊に詩集『花章ーディヴェルティメント』(思潮社)書評掲載

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5月6日(土)東京新聞夕刊に詩人の川口晴美さんが書いて下さった「詩の月評」が、昨日15日の北海道新聞夕刊に掲載されております。

北海道の方々、読んでみて下さい。

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今回は詩集の中身を写してみました。
森美千代さんのお写真も装幀の中島浩さんが工夫を凝らして下さってます。

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# by matsuo-mayumi | 2017-05-16 22:52 | 詩について | Comments(0)