詩と写真【吸いこまれて抗って】

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そうして

消えかかる輪郭に

血の色の叫びがあって

つらなりの輪のあたりを

明るみへと引き寄せようと

ざらついた手触りの器をさらにざらつかせ

ふさわしい傷口を深めていく実と蕾と仮の夢

近づきすぎて絡まりあって

親しくあっても

異質なもの

誤謬と誤読が

星をつくり

闇の中で輝いて

それらをともに見つめることで

同じ場にいる錯覚を再びともに楽しんで

宙をさまよう熾火となる

じりじりと歪んでいく

燻りはやがて膨らみ

苦々しい丘のよう

当たり前に転がって

止らなければならない

足裏に負う火傷

切断される

窓の風景

こうした治癒で

痛みは忘れてしまえるのだから

遠ざかった陽光を取り戻し

甘美ですらあるだろう

おぼろげな同化の

希求の霧を

惑った記憶と

あの滑走の

弦の響き




写真 森美千代 詩 松尾真由美

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# by matsuo-mayumi | 2017-03-25 15:26 | 写真と詩のコラボレーション | Comments(0)

散策で花を見上げる

晴れの日。
ご近所を散策しました。

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日当たりの良いところでは、
桜が咲いていて、

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ハクモクレンは印象的な花。

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花びらのエネルギーを
じかに感じる。

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# by matsuo-mayumi | 2017-03-23 21:29 | 日々の感触 | Comments(0)

詩【夜と花芯、しなやかな摂理の心地】

ささやくように

頸をかしげ

その姿が

騒がしさを寄せつけずにいるからこそ

静まる気流がめぐっている

周辺の

泥をさらい

緩やかに

皮膚の色が

重なりはじめて

瞬時を定着させること

それを浪費と呼んでもいい

病巣をすがすがしく開示して

拡散させればあまい蜜の

辺境が核となり

うつろな脈が

彷徨いだし

こまやかな放恣として告白をくりかえす

いくどもいくども訴えていたのではなかったか

不信があっても不信を信じず

不可視を可視へ

夢をみて

夜の

惑いに

遊んでいて

地の区画を装って

踏みつけるものがあり

雑多な感触および雑念の

あいまいな息が飛び

照応と照応との鏡

覗きこんで驚きつつ

そうした歪みに没しそうに

喘いでいた小石に似て

ころころと転がりつづける

ゆらゆらと蘂がうごめき

しだいに花は

開くだろう

あのような背後の

やすらかな静謐には

遺物にいたらない音の域がふかまって

柩のごとく寝台のごとく巣のごとく

むしろ襞の多様な表情

浮き上がらせては

抱えこむ




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# by matsuo-mayumi | 2017-03-19 17:57 | 詩作品 | Comments(0)

詩【波間に浮かぶ草の密度】

だから       

あやうい光の

ひややかなぬくもり

そのへだたりに身をゆだね

剰余のときを淫していく

なおも手足を解体しばらばらの虹を追い  

否定も肯定もない午後と午前の間隙に

住まうことの悦びをむかえていて

きっと沼にあえぐ小鳥は羽撃きの跡をいぶかしく追想する

儚くてあでやかな瞬時の夢を壊しては組みたてなおし

すがすがしい壁をなぞるあらあらしい気色に没し

ここではいつも不確定な情愛をもとめる  

おそらくは懐かしい地理上の出来事の

不定形な愛撫に逸れ

なにか惑乱する

どこかが外れ

ずれる円環

この自由を堪能してさえ

霧のなかに立っているのだ

紙の肌理がことごとく過激になり

滲んでいく吐息とためいきとのしどけない混濁を  

けっして望んでいたわけでもなく受け入れて

ただ豊穣な遊戯の芽を摘み

そこから私が震えていく

ふかまる野をおもい           

柩のとなりに横たわり

簡単な火

消えては燻り

草いきれにまみれている

とおい空をあおいでみても

かくもながながしい無意識の旋律に

からまるだけの安息または偽装の言葉を  

足元からくずしていって

ひそやかな愉悦を呼ぶ

流される枝の機微を

変容とみなす脈絡

楽しみはすでにはじまっていて

いくつものまなざしに脊髄が答える

治らない病巣をかかえた子供のしぐさで

拡張させる領土

危機と依存

疑わしい

表面積をはかり

切り離されるまでの問い

あおい卵が

割れる

    

   


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# by matsuo-mayumi | 2017-03-17 15:15 | 詩作品 | Comments(0)

札幌交響楽団 東京公演2017

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東京芸術劇場 コンサートホールにて
3月14日、札幌交響楽団東京公演が行われました。
指揮 ラドミル・エリシュカ
コンサートマスター 田島高宏

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演目は、
メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」
シューベルト 交響曲第5番変ロ長調D485
ブラームス  交響曲第1番ハ短調op.68

シューベルトの交響曲には春を感じさせて、
圧巻のブラームス。
指揮のラドミル・エリシュカは、
ブラームスの重厚性に大らかさを加え、
魅力的な交響曲に仕上げていました。
誰もがブラームスを好きになりそうな、
そんなひとときを楽しむ。

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# by matsuo-mayumi | 2017-03-16 13:05 | 日々の感触 | Comments(0)

コラボレーションライブ「こえのあるいっとき」

及川恒平さんとのコラボレーションライブ「こえのあるいっとき」。
無事終了いたしました。 

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会場での森美千代さんの展示作品です。

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私の写真が下手ですみません。
雰囲気だけでも伝われば……。

来て下さった方々、ありがとうございました。


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# by matsuo-mayumi | 2017-03-13 11:28 | 朗読会 | Comments(0)

コラボレーションライブ「こえのあるいっとき」12日(日)明日。

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及川恒平さんとのコラボレーションライブ「こえのあるいっとき」。
3月12日(日曜日)明日です。

詩集が出たばかりなので、
新詩集「花章ーディヴェルティメント」のリーディングもありますが、
森美千代さんの写真の新しいシリーズが展示されます。
急遽、それに合わせて松尾が詩を書き、
及川さんが歌を作って下さいました。
12日のライブのときだけ、
写真と詩(リーディング)と歌(音楽)が絡まりあいます。
実験的なこともさまざまに。

お時間がありましたらぜひ。

コラボレーションライブ「こえのあるいっとき」
21017年3月12日(日曜日) 開場4時半 開演5時
2500円(お茶付き)
場所 ギャラリー華沙里(かさり) 川崎市麻生区上麻生1-10-6-2F
   新百合ヶ丘駅徒歩5分 
   ℡044-954-2333

ソング・ギター 及川恒平 
リーディング  松尾真由美
フォト     森美千代

ご予約 kohe.office@gmail.com


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# by matsuo-mayumi | 2017-03-11 12:42 | 朗読会 | Comments(0)

詩と写真【透明に伸びていくもの】

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しなやかに伸びる枝は

このように

曲がっていて

すこしだけ軽やかに

迷いをかたどるひかりがある

横たわっているものと立ち上がっているものの

風下と風上

低音と高音

それぐらいの違いのなか

ざらざらざらと

地はゆれて

不安は底に集積される

とても微細で重い寒気の

やぶれた見取り図

中心をなくしていて

脚色の危うさから

紅く叫ぶ

多くの脈動

つなぐことができないだろうか

寄りそいあっても離れるから

とどまるために雪の白

さらにまた

憧れる




写真 森美千代 詩 松尾真由美
*この写真は「こえのあるいっとき」17日森美千代展示作品を
私がスナップで撮ったものです。

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# by matsuo-mayumi | 2017-03-10 11:46 | 写真と詩のコラボレーション | Comments(0)

詩【透過のための火の仮設】

ひとしきり

きらめく

水底の

澱をみつめ

未踏の患部に惹かれ

そうしてあわい邪恋の

はがゆい

指先を

焚く


(点滅する火)


(おだやかに失効する関節のかすかな影はゆらめく)


聞こえない

声にからまり

したたかに溺れる起点を探り

隘路のさきのあなたの背へ

よるべなく足裏の欠損をたくす

ふたしかな関係に新種の芽をのぞみ

ただ欲情の素朴な拘束に侵されていて

おそらくあなたのもとで膨張し収縮した私の形は

幸福な生体のういういしい遍歴の一部をつたえ

うすい肉塊を残しただけかもしれない

埋もれたものの光度をかこんで

冷気と暖気の狭間に佇み

なにもなすすべはなく

こうしてくちづけをおくる

うすぐらい三叉路にただよい

裏と表の秘儀をくぐって

昂揚の所作ばかりが

未完了な充足を忍ばせ

やがて羽ばたきは

落下する

修辞を

象る


きっと不明な水位のままに

苦痛は消えさる

扉はひらき

ふたたび

閉じて


なお

閲覧者の

しめやかな階調へ

あやうい遅延がつづけば餓えは帰す


(不意の揺動にもたれ)


(みずみずしい急所をさらしまるで不可避の場に執し)


(遠近感のない還元にあわだち他愛のない巣はくずれる)


(鋳られたあとの眼) 濃密な耳 儚い手)


(ぬくもりの方角をはかる悲しい営みの退行と逍遙にまみれ)


(乱雑な瓦礫) および侵略の)


《それらの岸辺》


ひらひらと不可解な伝聞はめぐり

およそ実体のない障害の

塵を飲みこみ

視界がくぐもる

黄砂に阻まれ

汚れていく枝の突端は

あらかじめ区分けされた沸点である

剝がれるときに出自はあらわれ

私はいつも避難のための

葉脈に萎えていき

誤字をついやし

ひときわあつい照度をねがい

おぼつかない蔦をひろげ

いまださまよう行間の

当為にねじれて

傲慢な植物の

球根を

握りしめる


春の風

はげしい渦に

窓はあえぎ

室内では伸びやかな発熱の舌が渇く


(いつまでも夜に砕ける木箱のなかのつましい芥に属していて)


(苛立つことの意味を逃れけれどより親密な意味を追う)


(運行と審判) 生成と放蕩)


(返答を………)


(せまい湿地にとどまるこの病癖が愛しい小石を抱えこむ)


いっそう

純化を乞う

なやましい空洞に

投げいれる昨日の過誤

予感をさえぎり

傷つくまで

近づく皮膚の

荒唐な

脈絡

生気となり

すすむ描線が頸をくくって


ぼんやりと

痛みをともなう徒労は秘めた官能をふくらませる


鳥が

さえずる


(すがすがしい繁殖をよそおう短絡的な感知にまどい)


(神聖で乱雑なこどもが駆けていく)


(分かちがたい汀に蹲るころ)


さえざえとした

回復をもとめ

あなたのやさしい虚構に赴き

紛れもなくいかがわしい私の恋着を預ける

半月を充たす好ましい生理をつなげる仕草で

単一な記録をほぐし散策する岐路にそい

睦みあうほど俄に言葉はゆがみ

そこからあおい垂線をひく

花弁をちぎって

褪せた通信をすえ

つまり定まらない主旋律で

あらたな相聞はつくられ

すべてはゆるやかな棄却のうちにあり

これらの途上でうるおい交わり

空の方を見つめる予後

壊したはずの

視座が

ほのめく




*詩集『揺籃期 mezza voce』から

コラボレーションライブ「こえのあるいっとき」で、

リーディング(及川恒平さんの声も入ります)予定。

改稿してあります。


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# by matsuo-mayumi | 2017-03-10 01:17 | 朗読会 | Comments(0)

詩と写真【対峙の機微の儚い罅】

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触れているのか

感じている

その曲線の光のあたり

見えているのか

聞こえている

摩擦のあわい熱にからまり

大きなことも小さくゆがんで

変質する声となり

あちらとこちら

しどけない相対から

猶予と剰余が入りこみ

つけこまれてしまうのだ

つねに密度の違うもの

まぼろしのようにかさなれば

細部のみでつながって

壁を壊すことはできない

扉だって崩れない

窓だけは身軽に開け

景色を遊んで

帰路のない交感

決着はつかなくて

儚い罅の紋様のゆれ

絵空事だったとしても

やりきれない

擦り傷を

残す




写真 森美千代 詩 松尾真由美
*写真は17日「こえのあるいっとき」の森美千代展示作品を
 私がスナップで撮ったものです。


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# by matsuo-mayumi | 2017-03-08 16:49 | 写真と詩のコラボレーション | Comments(0)