詩と写真【地下にひろがる植物の】

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皮膜のように

霞んでいる

うねりや流れやたゆたいなど

葉のいちまいのしめやかな長さにからめ

忘れることが前提の湿度の違いが大らかな豊穣を支えている

闇のなかで開かれている場はどこまでも自由であって

仮設も仮説も架設も悲喜劇

むずかしい養分を繋げている

あんなにも紅く花はあり

その濃さの信憑から

きわやかに

ひとすじの視線

透きとおって

赦されて



写真 森美千代 詩 松尾真由美

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# by matsuo-mayumi | 2017-04-22 09:33 | 写真と詩のコラボレーション | Comments(0)

詩と写真【密接であってなくて】

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祝宴をかたどる

そんなふうに思えてくる

緊密に密接につながれば円くなって

ささやかな囁きも聞き取ることができるようで

しどけなく耳を澄まして音域をたしかめる

聞くことは感じること

心音から重なる音を

求めれば

さまよいだす

胸の奥の羽根の過不足

穢れてしまった白い原器を

忘れるためのみどりの花びら

そのように戻っていけば

こどもの脈を得られるだろうか

庭がとても広くなり

空がもっと天になって

もてあます綾はもてあまし

めざましく走りまわる句点のない輪

当たり前の手探りで指はいつも動いていて

散乱やら凝縮やら

均衡を欠くからこそ

遊びは必ず正しくある

消えていく旋律を

ふさわしく

楽しくつかみ

交信の記録のごとく

その残像

自らを

写している



写真 森美千代 詩 松尾真由美



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# by matsuo-mayumi | 2017-04-18 13:12 | 写真と詩のコラボレーション | Comments(0)

桜の花びらが流れていく

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近場で桜を見かける。

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散り始めた桜の花びらたち。


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流れていく花びらも綺麗でした。


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# by matsuo-mayumi | 2017-04-15 18:42 | 日々の感触 | Comments(0)

詩と写真【いとなむことの修辞として】

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少しだけ

ゆるやかに

位置がさだまり連なるもの

円いようで円くなくて

主語も述語も動いていて

もぎ取られたあとの痛々しいむくみ

胸にせまってくるのだった

ひとつひとつの

夜の方位に

ずれる呼気を感じていき

それらが集まり豊かになって

ひとときだけとても目映く

物語が作られる

その猶予

やわらかで

かたい水路に

流れていく

思惟のいくつか

こんなにも過去になり

へこみも歪みも平面に化すのだから

いまだけは黄の変容

火のごとく

熱く受けとる



写真 森美千代 詩 松尾真由美



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# by matsuo-mayumi | 2017-04-14 13:03 | 写真と詩のコラボレーション | Comments(0)

詩と写真【ごく小さな灯りのもとで】

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やはり

夜を迎えていて

枯れ葉が散らばるそのあたり

本当はひとつなのかもしれない

渇きすぎて熱くなり

泡立ちすぎて

消えかける

そんな    

音の

前と後を

逃れるではなく追いかける

焦点をしぼっていけば

灯火が浮き上がり

あらぬところを照らしていて

かすかにさめた白い花弁が

しどけなく佇みつつ

紛れこんでしまう

主体というもの

必ず小さな翼をたずさえ

実践しかない

むかしから

続いていること




写真 森美千代 詩 松尾真由美

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# by matsuo-mayumi | 2017-04-11 11:57 | 写真と詩のコラボレーション | Comments(0)

詩集出版お祝い→チビチビ

ある日のチビチビ。

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友人から詩集『花章-ディヴェルティメント』
出版お祝いをいただきました。

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チビチビお昼寝用タオルです。
洒落たプレゼントに感嘆。

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ふかふかなので、
思いっきり使っている。

チビチビでした。

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# by matsuo-mayumi | 2017-04-10 10:52 | ねこ・猫・ネコ・ねこ | Comments(0)

詩【ふるえる花片の伸びやかな秘儀の在処】

あれは

叫び

地下に潜む

根のうごめき           

その迷宮を請い

まるで再会のよう 

にがくあまい  

胚珠を食む   

        

(歩むことの怖れをともない) 


(すでに素足は慌ただしい失調の極にたたずむ) 


不可視の声の

ひびきを引きいれ     

あわい具象の主客をなぞる 

しどけなくあなたの背を追い

ふと私はやぶれた目録の頁をはなち   

なにかをくずしなにかをうちたて悲喜劇の寛容に沈む

夏の発情のさわやかな記録をもとめ指先への過信にそって 

異形の空のもとでのつよく激しい邂逅の行方にからまり  

あなたの掌にのる小鳥のささやかな羽ばたきを      

途絶えがちな歓喜の軸として視界をひらく 

まとわりつく腐蝕の枷をみつめ      

執着したものの面差しの影の部位を 

辛辣に拡張するひとすじの糸をたぐり

たとえば卑屈な不具の局面に惑い  

保留のままの倦怠の鋳型をぬき

廃品の自在をみとめ      

かなしい愚行の証言とする   

ものうい回想からうすい事件へ 

かすかに邪悪な試行にあそび  

ここでしばらく修辞の熱度におかされる 

裸体の私が焚かれていく夢にまどろむ  

かずかずの隠語の触感をたのしみ

けれど選別する骨の求心の     

過敏な代謝になだれ   

なお不和と親和の

削字にゆらぐ

命題がある


ことごとく

比喩の魚はのがれ

溺死者の頭部とまじわり

波紋をうべなう

消化しない告知だけが  

いまだ容認される    

眠られない

場所の

うつろぎ

または

密室の過渡な舌に取り巻かれる


(穏やかなはずの昨日を掘りさげ)


(虚構の森のゆたかなみどりを想いつつ自転する私語のふるまいに狂う)


(饐えた表記の短絡的な網をかざし退化のごとく)


(今日の斜視をあてがわれた至福と名づける)


(風景の変容)


(覚醒か 昏睡か) 切望は)


(いや混濁におけるあざむきの途上に立ち)


《またとない剥奪》   


不要で無心な

送信をはじめていた


ゆるやかな放縦を重ねていって

いくつかの紙片をにぎる

近づきすぎた外郭の  

やさしい摩擦に   

順列と循環の

不安な愉悦はかくされ

ただよいながら  

どこか

分裂する

襞の欲動は

きっとあなたの

地理のなかで

展開する種子となり

すべて私の真実を象る

そのように抱かれたいのだ


遠くでは

月の湿度が喘いでいて      

あやうくふるえる光を呈する 


(未知の養分)


(いずれは朽ちる構築物の床の震動におぼれ)

 

      

(猶予のない横溢なもろもろの誕生にまみれやはり消息は追わずにいて)

 

      

(すみずみまで破綻することの悦楽をぎこちなく呼び)


(和解のないありふれた放出に懐かしくぬくもる)


(一方的な不貞の羅針) 間隙の硬度) 


(ひりひりと) 素描の数値)


《細菌を撒く》


ひとときの陥落

ときには

真紅の花びらの

ひそかな情感にたかまり

少しずつ莟をひろげる火の習性におもむく 

あつくかぐわしい夜から朝への     

欲望の少女の仕草で

脈打つ恋を語っていって

散りいそぐほど

煩雑な素姓を

忘却する

この密度に

敗亡の晴れやかな

水分が充ち

だから表象の

悪癖をも        

みずみずしく流れていく


かつての細事が

とどかない手紙の方位で消失する


(安住の意味をめぐり)


(ひとつかみの灰の意味をめぐり)


(あまりに不確定な結語のよどみをつねにかかえ)


蝶はおのずと

やわらかな風に同化し

より豊穣な飛翔にたゆたう   


               

ふさわしい分身をさらし    

橋の幻影をわたる       

果てのあなたへ        

熟さない韻律にすがり転位をゆだね

だからこそ瓦礫をしめし窓を開け

すがすがしい漂流の感覚に翻り

傷口から入りこむ雨滴の氾濫をのぞむ

純潔な婚礼を必ずねがって言葉ははなやぎ

回帰のための叙述に問われ

あなたの前で瞼を閉じる

私の瞼にくちづけをするあなたの吐息に溶けていく

やがてあたたかな寝床にくるまり一瞬の滞在を刻印する

なやましい空間をふくらませ惑乱のしろい手頚を

つかんで手放す秘匿の領域に横たわり

飼育され追放されるひとつの切片は  

私のかたくなな因子であって     

白日の芽をついやし   

儚い欠損を知る   

癒されたばかりの

甘美な性器の静謐の 

あらわな浮遊をさらに企て  

幸福な貧血および   

あらゆる欄外の血脈を

これら素顔で     

つなげていって

むしろ小さな

挙措にざわめき   

なかば虚脱の

受粉に

ねじれる



*詩集『揺籃期ーメッザヴォーチェ』より


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# by matsuo-mayumi | 2017-04-09 16:51 | 詩作品 | Comments(0)

舞台『プロミスト・ランド』

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新宿シアター・ミラクルで行った舞台『プロミスト・ランド』

作・演出の日疋士郎さんは詩人でもあります。

今舞台は文芸思潮現代詩賞最優秀賞2冠記念と

銘打たれておりますが、

2回目の受賞はとても難しいのです。

選考委員を私がしているのでよく分かるのですが、

1回目以上の良い作品であることは勿論のこと、

2回はないようにとかなり厳しく精査いたします。

そこをくぐり受けての受賞でした。

そして、舞台も主催する。

以下は、私のツイートでの観劇の感想です。


日疋士郎作・演出の舞台『プロミスト・ランド』を観る。カオス的状況にあることで役者達の肉体(存在)が力強く時空を超え、子供の生も老人の生もまたジェンダーの問題を抱える生も音楽と詩語とともに宙に放たれる。放たれることで昇華されようとする精神世界が生身(役者によって)で現前し、惑い自体は悪ではなく善だと思わせてくれる作品でもある。


日疋さん(女性)の舞台では詩も生かされていて、

それが詩人の私には嬉しい。

もっと詩人が観に来てもいいのかもしれません。

ぎりぎりまで自己を追い詰めて作られた作品が、

役者達によって解き放たれていく。

詩もまた宙に放たれる。

詩を一篇、

紹介いたします。


【詩:『10カウントのカノン』】 日疋士郎


10、...
ぐしゃぐしゃのままソファから起きる
9、
不安
8、
振り切るようにPCを起動する
7、
ミルクティーを一杯飲む
6、
冷たい水で顔を洗う
5、
まだ
4、
頭はくるしい夢のなかを漂っている
3、
明りを消して
2、
キイボオドに両手を置く
1、
しばらく目を閉じて
ゼロ、
そして明ける

聴こえるはずのない
あの

あの
歌詞のない歌に
身をまかせる
聴こえる歌を弾いているのか
弾いているから
歌が聴こえるのか
もう
わからなくなる
聴こえる歌をうつしているのか
ぼくのなかから歌が聴こえるのか
もう
わからなくなる
すべてがきえる
いや
すべてがあらわれる
いつまでもいつまでもキイを
叩きつづける
打ちつづける
弾きつづける
ことばで
せかいをうつしとる
せかいがことばにふってくる
もう
からだなんていらないのかもしれない
からっぽのがっきでいいのかもしれない
このまま
のぼる
音がらせんにたちのぼる
音が夜をこえてのぼってゆく
いつか
とおくまでいくんだ
ほら
ここからみる地球は
なんて
青い
なんて
遠い
              



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# by matsuo-mayumi | 2017-04-05 14:24 | 詩について | Comments(0)

お花見

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深大寺でお花見。

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今年は天候不順にて、
日陰では花は咲いておりません。

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でも、
日当たりの良いところは春爛漫。

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こんなふうに、
咲いている桜もありました。
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# by matsuo-mayumi | 2017-04-04 09:25 | 日々の感触 | Comments(0)

詩集『花章ーディヴェルティメント』思潮社刊 書評

詩集『花章ーディヴェルティメント』について、
和合亮一さんが書評を書いて下さいました。
http://mainichi.jp/articles/20170328/dde/018/040/008000c#


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# by matsuo-mayumi | 2017-04-03 17:14 | 詩について | Comments(0)